池江師は、2012年、13年と2年連続でオルフェーヴルをフランスに遠征させて、
フォワ賞1着、凱旋門賞2着。同じ着順を2年続けている。
100年近い凱旋門賞の重い歴史をたどっても、欧州以外の調教馬からはいまだに勝ち馬が出ていないことを思えば、“世界の2着”を2年続けたことだけでも偉業と言えるだろう。
しかし池江師は、はっきりとわかる不満な表情を浮かべて、こう訴えるのだ。
「12年の凱旋門賞を取りこぼしたのは、当時の僕の若さです。いまなら間違いなく勝たせることができていたでしょう。これは自信を持って言えることです」
当時のオルフェーヴルの鞍上に起用されたのは、飛ぶ鳥を落とす勢いで欧州のトップジョッキーに登り詰めたクリストフ・スミヨン。
追い切りに一度跨ってオルフェーヴルの感触を確かめると、「気難しいと聞いていたけど、これぐらいならなんの心配も要らない」と胸を張って言い放った。
池江師は「今日はたまたま行儀がよかっただけ。こんなもんじゃないんだ」とさらなる警戒を求めたが、スミヨンは「誰が乗ると思っているんだい?」と、取り越し苦労を逆にたしなめてきたという。
「あのときのスミヨンの勢いに安易に妥協してしまったのが、自分の若さだった」と悔いる池江師。
いまなら、オルフェーヴルが本来内面に秘めている破天荒な面をさらけ出す場面を、
自信過剰な鞍上に示すシチュエーションを作り出せているという自信の裏返しでもある。
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